物件所在：東京都新宿区
種類　  ：居宅
処理形態：地主へ売却

親の代より80年近く借地関係を続けていた借地人は、その間に底地の相続・売買により地主の名義が転々とし、借地契約続行取止め・地代受取拒否・私道部分の削減等を要求されたが、その時毎に東京借地借家連合会を通じた法定更新・地代供託等の対応で乗り切り、現在に至っていた。

借地人自身も高齢となり築80年の建物も老朽化し地震等での倒壊の危険もあり、都内に住む別世帯の息子たちより心配の声が上がっていた｡よって借地人の希望は数多く問題を抱えていた借地権建物を売却処分し、長男の居住地の傍に移転することであった。

自身を買受人とする買付証明を出し地主あて譲渡承諾請求をしたが、地主が応じなかったため借地非訟手続に移行し、当該借地権売却につき適正な金額が出るまで裁判を続行。

現地主が不動産会社であったせいもあり、お互い納得できる数字が出るまでに裁判所は鑑定委員会も入れ厳密に金額の査定を行った。約１年後、当方の出した買付証明書の金額にほぼ近い数字で結審。その後細かい交渉をまとめている間に地主との決済に先立って借地人が希望する長男の住むマンションの下階の部屋に移転した。

最終的に売却金額が決定し、借地人は精算を済ませ、当初の希望通り、長年悩まされつづけた借地問題に決着をつけ、長男家族の傍で生活するに至ることができた。