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共有持分だけを売ることはできる?共有者の同意が要る場合・要らない場合

親から相続した実家が、兄弟姉妹での共有名義になっている。自分は売りたいが、他の共有者は動かない。こうしたご相談は少なくありません。
結論から言うと、自分の持分だけであれば、他の共有者の同意がなくても売却できます。ただし、知っておくべき注意点があります。
このページでは、同意が要る場合と要らない場合を整理します。

自分の持分だけなら、他の共有者の同意は要りません

共有名義でも、各共有者は自分の持分について、自由に処分できます。民法は、所有者が法令の制限内で自由にその所有物を処分できると定めており、持分もその対象です。

そのため、自分の持分だけを売ることについて、他の共有者の同意は必要ありません。

ただし、個別の事情によっては注意が必要な場合もあります。実際に売却を進める前に、弁護士や司法書士などの専門家に確認することをおすすめします。

不動産全体を売るには、共有者全員の同意が必要です

一方、土地や建物の全体を売るとなると話が変わります。民法は、共有物に変更を加えるには他の共有者の同意が必要と定めています。不動産全体の売却は、共有者全員の同意が必要と考えられています。

一人でも反対すると、全体の売却は進みません。

なお、2023年4月施行の民法改正で、形状や効用の著しい変更を伴わない「軽微な変更」は、持分の過半数で決められるようになりました。ただし、不動産全体の売却は、この軽微な変更には当たらないと考えられています。

どの手続きにあたるか判断が難しい場合は、専門家にご相談ください。

持分だけを売ると、何が起きるのか

持分を買った人は、新しい共有者になります。他の共有者から見ると、共有者が入れ替わることになります。

買主は、他の共有者に対して、共有物の分割を請求することができます。そのため、持分だけを買う人は限られる傾向があります。

持分の売却を考えるときは、買い手が限られること、他の共有者との関係が変わることを、あらかじめ知っておいてください。

他の共有者に、先に持分を買い取ってもらえないか打診する方法もあります。

共有者と話がまとまらないときは「共有物分割」

共有者は、いつでも共有物の分割を請求できます。まずは共有者どうしで協議し、まとまらなければ、裁判所に分割を請求できます。

裁判所は、次のような方法で分割を命じます。

・現物分割(土地を分ける)

・賠償分割(一人が不動産を取得し、他の共有者に代金を支払う)

・競売(上記の方法ができない、または価格が著しく下がるおそれがある場合)

なお、共有者間で「5年以内は分割しない」と契約している場合は、その期間は分割を請求できません。

どの方法になるかは、不動産や共有者の状況によって異なります。判断が難しい場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

共有者の所在がわからないときの制度

共有者の一人が行方不明で、連絡が取れない。この場合、2023年4月施行の制度が使えます。

・裁判所の決定を得れば、残りの共有者の持分の過半数で、管理に関する事項を決められます

・同じく裁判所の決定を得れば、残りの共有者全員の同意で、変更を加えられます

・所在不明の共有者の持分を、時価相当額を供託して取得したり、不動産全体を第三者に譲渡したりする制度もあります

いずれも、裁判所への申立てと公告が必要です。持分の取得では、公告の期間は3か月以上とされています。

また、相続した不動産(遺産共有)の場合、持分の取得・譲渡の制度は、相続開始から10年が経過した後に限り利用できます。

手続きが複雑で、判断が難しい点も多いため、弁護士や司法書士などの専門家にご相談ください。

まずは、現状をお聞かせください

「共有者と連絡が取れず、動けない」

「自分の持分だけでも手放したい」

「他の共有者と、何から話せばいいかわからない」

こうした段階でも、お気軽にご相談ください。

売却を決めていなくても構いません。まず状況を整理するところから、お手伝いします。

法律上の判断が必要な点は、弁護士や司法書士などの専門家にご相談ください。

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参考サイト

・法務省「民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について」(PDF)

・法務省「令和3年民法・不動産登記法改正 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律制定」(PDF)

・民法(e-Gov法令検索)

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